オンライン決済の件数が増えると共に、悪意のあるハッカーによるサイバー攻撃の件数や、詐欺目的の不正な注文の件数も近年増加しています。
テクノロジーの発達がセキュリティー対策に繋がり、リスクの高いクレジットカード利用者の検知能力なども向上する一方で、結果的にチャージバックによる企業の損害額も増えています。近年問題となっているネット上の脅威からECサイトを守り、セキュリティー対策するための方法の一つとして、チャージバック保険が挙げられます。しかし、チャージバック保険は、様々な面から理想的な対処法とは言えません。こちらの記事ではその理由を説明していきます。
1つ目の理由として挙げられるのは、基本的にチャージバック保険は自動車保険と同様に、保険会社が利益をあげるためのシステムで構成されているからです。どのような方針がどういったシチュエーションで、どの商品にいくらほど保証されるのかを決める方針が複雑に構成されており、結果的にEC運営者に不利な補償内容となってしまうことが多いからです。
2つ目の理由として、チャージバック保険の補償対象となる商品が限られることが挙げられます。というのは、保険会社により決められた特定のカード会社や決済代行システム(PayPalなど)により購入されたものに限られることが多いからです。また、多くのチャージバック保険は、ゲーム機材や電子書籍などのテクノロジー関連の商品を補償対象外とみなしています。基本的に盗難の被害にあったサービスや商品も補償対象外となります。
3つ目の理由として、チャージバック保険は高コストであることが挙げられます。保険会社は1件の取引に対して0.5%から1.5%ほどサービス料金として請求します。結果として、そのような塵は積って山となります。
4つ目の理由として、顧客満足度の低下に繋がることが挙げられます。チャージバック保険会社はが「高リスクな注文である」と検知した際に、顧客は会社に直接問い合わせしてカード情報・個人情報・注文内容の照合をすることを求められるからです。結果として取引全体の流れに支障をきたし、大切な顧客のフラストレーションに繋がります。
世界中のどのような保険サービス会社をみても、完璧なものはありません。健康保険や自動車保険のように、基本的にチャージバック保険会社は利益重視で運営しています。チャージバック保険に頼らずにEC運営者としてセキュリティー対策していくためには、日々の情報収集と、Shopifyなどの信頼のあるECサイトの無料サービスを利用しながらサイバー攻撃に打ち勝っていくことが求められるのではないでしょうか。
Lizuna (https://lizuna.com/) は、3つのテクノロジーを用いてオンラインショッピングサイト上の詐欺や悪意のある注文を監視・防止する会社です。EC運営者の安全なビジネス経営のため、日々研究に刻苦勉励しています。
参考文献
(May 10, 2018). Chargebackgurus.com.
https://www.chargebackgurus.com/blog/chargeback-insurance-pros-and-cons