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Eコマース業界において、False Positiveがどのように収益ロスに繋がってしまうのか様々な面から分析してみる

コロナウイルス拡大防止に伴いオンラインショッピングの需要が高まる中、悪意のあるユーザーはセキュリティー対策に脆弱性のあるEコマースサイトを模索し、偽造注文やクレジットカード不正使用の機会を求めてアンテナを張っています。

そしてセキュリティー対策ソフトウェアや偽造注文審査システムは、機械学習の質を日々向上させることで悪意のあるユーザーからEコマースビジネスを守ることに努めています。そのような状況の中、EC運営者様の懸念となるのがFalse Positiveによる収益ロスです。以前の記事でFalse Positiveの対策方法について記載しましたが、これはクレジットカード決済がされた場合にその取引が悪質ではないにも関わらず、カード会社や不正検知システムが悪質であると誤検知した場合のことを言います。本記事ではFalse PositiveがEC運営者様のビジネスにどのように悪影響を及ぼすか、様々な面から記載していきます。

初めに、False Positiveによる収益ロスの規模は年々増加していくことが予想されていることを覚えておきましょう。Merchant Risk Counseling.orgの調査によると、不正検知システムによって拒否される取引は世界中で行われるEコマース決済の中で2.6%に及び、100米ドル以上の注文には3.1%に及ぶそうです。この数字は一見少ないように見えますが、年間収益が1億円のビジネスのFalse Positiveによる収益ロスは約260万円ということを考えると、やはり少ない金額とは言い難いです。また、Business Insiderの2016年に行われた調査によると、アメリカ合衆国内のEコマース業界のFalse Positiveによる収益ロスは全体の1.47%を超え、86億円を超える結果となりました。この割合は2013年と比較して0.51%増加したということから、これから飛躍的に増加していくことが予想されるのではないでしょうか。

次に、投資収益率(ROI)、顧客獲得単価や顧客満足度の低下に繋がることが挙げられます。カード決済の取引が拒否された場合、迅速な取引を求めてオンラインショッピングする見込み顧客は、他の似たような商品・サービスを提供する競合会社を見つけてしまうでしょう。また、カード取引が拒否された場合、それを口コミとして種類豊富なウェブサイトやソーシャルメディアに投稿する顧客も少なくありません。インターネットの普及が進む現代、そのような投稿は瞬く間に広がり、見込み顧客のロスに繋がってしまいます。マーケティング・コンサルタント会社であるMcKinsey & Companyの調査によると、見込み顧客が新たに商品・サービスを購入する際に判断する要素として、口コミは20%~50%に及ぶそうです。せっかくSNSマーケティングやオンライン広告に投資をしビジネスの広報に努めても、クレジットカード決済の取引が拒否されてしまっては努力が水の泡となってしまいます。また、False Positiveの多くの原因となるのがクレジットカード会社による誤判断なので、EC運営者様にとってフェアではありません。

参考:mckinsey.com

また、チャージバックによる収益ロスが挙げられます。対策方法の一つとしてチャージバック保険が挙げられますが、以前の記事で保険は様々な面から理想的な対処法とは言い難い理由を記載しました。決算代行システムは特に、チャージバックが発生した際に手数料を加算するので、このような支出は塵が積もり山となってしまいます。

False Positiveを原因とする収益ロスは、見込み顧客をEコマースサイトに誘導するために投資されたオンラインマーケティングの費用、顧客生涯価値(CLV)を考えた際の収益ロス、不正検知だと判断された際に起こるチャージバックを原因とする収益ロス、そして顧客満足度の低下による収入ロスなど、様々な面からビジネスに悪影響を及ぼすことを覚えていなければなりません。そしてセキュリティー対策を万全として質のいい機械学習ソフトウェアを使用することにより、False Positiveの減少に努めていきましょう。

Lizuna (https://lizuna.com/) は、3つのテクノロジーを用いてオンラインショッピングサイト上の詐欺や悪意のある注文を監視・防止する会社です。EC運営者の安全なビジネス経営のため、日々研究に刻苦勉励しています。