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Eコマース運営者がウェブサイト上に導入することでネガティヴ効果となるセールス手法

参照:unsplash.com

Eコマースを運営する際に大切な要素となるのは、最適化されたウェブサイト、万全なセキュリティー対策、質の高いUX/UI、そして親身な対応をするカスタマーサービスであることは以前の記事で記載しました。パンデミックの影響によりオンラインショッピングの需要が高まる中、Eコマースウェブサイト上に工夫をしてビジネス拡大を図ることは大切です。というのも、Eコマースビジネスの質を判断する上で考慮する要素は、取引の円滑さやカスタマーサービスの質に限られるからです。一方で、推奨されていない向上要素である “Dark Patterns” (ダークパターン)も多々あることが研究の結果明らかとなりました。本記事では対象となるダークパターンについて詳しく説明し、御社のビジネス拡大のためにどのような工夫ができるか記載していきます。

まず、ダークパターンは心理学的研究の結果発明され導入されたものであることを覚えておきましょう。対象の顧客に御社の製品・サービスが必要不可欠であるものと判断させるためには、FOMO-Fear of Missing out-(流行りやセールスイベントを逃してはいけないという滞在意識・顧客心理をくすぐること)を意識することが大切です。これはセールス戦略の基本で、顧客を「インターネットで情報を集める時間がないので、この製品に決めるしか選択肢がない」などといった思考回路に導き、対象商品の購入に至ることが判明されています。

推奨されていないこととして1つ目におとり商法が挙げられます。これはウェブサイト上で頻繁に行われている手法であり、誤解を招くような情報を含むポップアップウィンドウなどをクリックすることで予想していなかったサイトに飛ばされるといったことがあります。例として、Microsoftのアップグレードを推奨するポップアップに関する事例があります。これは特定の範囲をクリックすることでWindowsOSからWindows10に自動的にアップデートを開始してしまうウィンドウであり、顧客やインターネットユーザーからの視点から考慮すると望ましいマーケティング戦略とはいえません。

参照:Shopify.com

2つ目の手法としてセールスイベントなどのオファーを断ることで罪悪感を抱かせるConfirm-shamingが挙げられます。このテクニックはEメール広告やプロモーションイベントのお知らせ情報を顧客に配信することが目的であり、ウェブサイト上で多く使用されています。以下のポップアップウィンドウは某アパレル会社のウェブサイト上で確認された例で、オファーを断るためには「いいえ、(オファーを断って)全額払うことを望みます」と記載されているリンクをクリックすることが求められます。これは顧客に罪悪感や不快感を与える原因となります。

また、誤った情報を含むウェブ広告も顧客をウェブサイトから遠ざける要素となってしまいます。これらの広告はクリックしてしまうと、本物であるかのように見せかけた偽のウェブサイトにリダイレクトされる可能性があります。このようなポップアップウィンドウはSoftpediaなどのダウンロードサイト上で確認されています。そしてこのような広告をクリックすることでニュースレターの購読やEメール配信停止を自動的にONとしてしまう手法も確認されています。これが不人気な理由として、購読の停止をするための過程を複雑にすることがあります。例えばカスタマーサポートに問い合わせをすることを求めたり、煩わしい手続きの完了が必要であることが挙げられます。最近ではFree Trialを受け取るためにはクレジットカード情報を入力しなくてはならない場合が多く、顧客が忘れたころに自動的に決済していたというような件が多発しています。

参照:Softpedia,com

そして、オンライン上で影響力が高く、評判も悪いPrivacy Zuckeringも挙げられます。ソーシャルメディアの普及に伴い、メディア会社はTerms of ServiceまたはConditionの内容を複雑にすることで、プライバシーの侵害を図ります。ユーザーが知らない間に情報の共有を承諾することで個人情報、IPアドレス、パスワード、関心のある事柄などが会社のデータベースに追加されてしまいます。

参照:neweurope.eu

更にはFriend spamのような、友達とのインターネット上の繋がりを利用した悪名高い手法も存在します。Terms and Conditionsを詳しく確認しないまま承諾すると個人情報や友達繋がり情報をウェブサイトの運営者やSSNサイトと共有してしまうことに繋がります。そして知らない間に知人へEメール広告が配信されていた、といったことがあります。例として2015年に、ユーザーの連絡先情報である”network”をマーケティング戦略などに使用したLinkedInに対して起訴がありました。

そして、オンライン決済最後の過程にて自動的に商品がカートに追加される手法と、税金、配送料、取引費用などの隠れたコストが請求内容に含められる手法が挙げられます。これはEコマースサイト上でクレジットカード決済をする際によく使用される手法であり、これらの費用は注意深く請求内容を確認しないと見落としてしまう要素であるため、顧客に不快感を与える可能性があります。

Eコマースビジネスを拡大する際に様々な手法を取り入れ吟味することは大切です。しかし、中には顧客のカスタマーエクスペリエンスやユーザーエクスペリエンス(UX)低下の原因となる手法もあります。EC運営者様のビジネスにとって一番よい方法を考えた上で顧客満足度の向上を測り、ビジネス拡大に努めましょう。

Lizuna (https://lizuna.com/) は、3つのテクノロジーを用いてオンラインショッピングサイト上の詐欺や悪意のある注文を監視・防止する会社です。EC運営者の安全なビジネス経営のため、日々研究に刻苦勉励しています。

参考文献

Babich, N. (2019, Mar. 18). Dark Patterns: 12 Tricks You Should Never Use in Your Products. Shopify.com.

https://www.shopify.com/partners/blog/dark-patterns