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EC運営者が機械学習を取り入れるべき理由とその過程ステップByステップ

参照:Pexels.com

インターネットの普及が進みテクノロジーが日々発展する中、ネット上で悪事を働くサイバー犯罪者の数も増加しています。ネット犯罪者は日々、様々なコーディングを学んでハッキング戦略を駆使しながら個人・企業のセキュリティー対策を突破しようとしています。一方、グローバル化が進む近年では、世界中のセキュリティー対策ソフトウェア・IT会社同士が協力してAIロボットや機械学習を用いたサイバー犯罪対策の解決方法に取り組んでいます。AIロボットによる機械学習はクレジットカード会社などのセキュリティー対策だけでなく、マーケティング戦略、カスタマーサポート、保険会社のビジネス戦略・セキュリティー対策にも導入されています。本記事では機械学習を用いたセキュリティー対策の利点と、企業がどのように機械学習を導入することができるか説明していきます。

初めに、機械学習の利点には正確性と効率性が挙げられます。例えば南アメリカで有名な旅行代理会社であるAlmundo.comは機械学習を用いて詐欺、チャージバック、偽の口コミ情報を70%減らすことに成功しました。これらの要素が機械学習により自動的に向上したおかげで、Almundo.comのサポートチームはカスタマーサポートの向上とFalse Positiveの減少に成功したことは言うまでもないでしょう。また、ビックデータを解析することによりデータ上のパターンを分析することで様々なシステムの自動化に繋げることができます。

ビジネスが機械学習を導入するステップとしてまず、セキュリティー対策を行う上での目標を認識・設定することが挙げられます。例としてチャージバックの率を下げること、False Positiveの率を下げること、偽の口コミ情報を減らすこと、ターゲティングの向上によるマーケティング戦略の効率化などが挙げられます。このステップを進める上で考慮すべきことは会社がなにを必要としているか、会社のKPIは(重要業績評価指標・重要経営指標)何か、会社の利益の源はどのような要素でどちらの顧客をターゲットオーディエンスとするべきか、そして会社の「成功」の定義はなにか、などが挙げられます。

第2のステップとしてデータの収集が挙げられます。機械学習の質を向上するためにはサイバー犯罪が起きた時間、頻度、取引の値段、顧客の過去の購入履歴、地域情報、チャージバックの報告履歴などのビックデータを解析することで、過去のサイバー犯罪のパターンやサイバー犯罪者の特徴を分析することが必要不可欠です。このステップを行う上でEC運営者様に覚えて頂きたいのが、このビックデータは数千の行列に及ぶ可能性があるということです。

次に第3のステップとして、機械学習モデルを構成することが挙げられます。データ研究者やアナリストはテクノロジーを用いたりビックデータの解析結果を参考とすることでデータを処理・分析し、御社がサイバー犯罪者による詐欺の餌食になっているか否か判断することができます。そして、どのような種類のデータと組み合わせることで機械学習モデルがより効率的になるかを判断することができます。

第4のステップとして、巧妙に分析されたビックデータを参照し、研究の予測に利用することができます。この過程はデータスコアリングと呼ばれています。このプロセスの例として、顧客が製品やサービスを購入した際に対象となるデータが機械学習モデルに送信され、御社の詐欺防止システムの種類・判断に応じて対象の取引を承認するか否か判断する過程があります。さらに、False Positiveが検知された場合にはそのような情報を取り入れ、検知システムの正確性に貢献することとなります。

最後のステップは、そのような機械学習モデルのアップデート・向上に努めることです。テクノロジーの発達とインターネットの普及が進む近年では、特にサイバー犯罪者の戦略をいかに早く予測、準備、防止するかが鍵となります。そのためには御社が利用する機械学習ソフトウェアやアプリケーションを常に最新のバージョンにすることで万全なセキュリティー対策を期待することができます。

サイバー犯罪者の手口が巧妙化している近年では、いかにテクノロジーを駆使してハッカーやサイバー犯罪者から身を守っていくかが問われる時代となりました。サイバー犯罪による被害は個人情報の漏れだけでなくクレジットカード情報などのセンシティブ情報も含まれます。そのような事態が会社規模で起こってしまっては、日々のビジネス拡大のための努力が水の泡となってしまいます。機械学習を御社のビジネスに導入することで、より安全なEコマース運営に力をいれていきましょう。

Lizuna (https://lizuna.com/) は、3つのテクノロジーを用いてオンラインショッピングサイト上の詐欺や悪意のある注文を監視・防止する会社です。EC運営者の安全なビジネス経営のため、日々研究に刻苦勉励しています。

参考文献

Kijek, Aleksander. (2017, Aug 18). A Beginner’s Guide to Machine Learning in Payment Fraud Detection & Prevention. Nethone. http://euro.ecom.cmu.edu/resources/elibrary/epay/MLinFraud.pdf